NO.10389757
みんなで難関大数学を攻略しよう!
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256 名前:元塾講師:2005/10/10 22:00
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解答: 示すべき式の両辺を展開し、Σ{j = 1~n}Yj^2 =Σ{j = 1~n}Zj^2に注意すれば、
これはΣ{j = 1~n}XjYj ≧Σ{j = 1~n}XjZj と同値である。この式は、
「n項からなる広義の減少数列{Xn}と{Yn}の中から1つずつ取り出して積を作るとき、その積
の和が、Σ{j = 1~n}XjYj を越えないこと」(※)を意味する。
以下これをnについての数学的帰納法により示す。
?)n = 2 のときについて:、X1≧ X2 , Y1≧ Y2 のとき、X1Y1 +X2Y2 ≧X1Y2 +X2Y1 ⇔
(X1 - X2)(Y1 - Y2)≧0が成立するので(※)はn = 2のとき確かに成立する。
?)1以上の整数nにおいて、(※)が成立するものと仮定する。
n + 1項からなる広義の減少数列{Xn}と{Yn}の中から1つずつ取り出して積を作ることを
考えXn+1とYp , Yn+1とXq の組み合わせを考えると、積の和にXn+1Yp +Yn+1Xqという
項が入るが、ここでこの4数の組み合わせを入れ替えて、XqYp +Xn+1 Yn+1とした場合、
積の和をより大きく又は等しくすることが出来る(少なくとも小さくならない)。なぜなら、
(XqYp +Xn+1 Yn+1) - (Xn+1Yp +Yn+1Xq) = (Xn+1 - Xq)(Yn+1 - Yp)≧0であるから。
次にXn+1 Yn+1を除いて、他の{Xi}と{Yi}(i = 1, 2 ,…, n)の組み合わせについては、仮定
より、Xj とYj を組合せていく(j = 1,2,…, n)方が他の組み合わせより大きくなるか等しい。
以上より n + 1項からなる広義の減少数列{Xn}と{Yn}の中から1つずつ取り出し場合の
組み合わせとしても、Xj とYj を組合せていく(j = 1,2,…, n,n+1)方が他のどのような組み
合わせよりも小さくなることはない。これは(※)がn+1においても成立することを示す。