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新新英文解釈研究(山崎貞著)

37 名前:匿名さん:2005/03/11 14:57
 伊藤氏が分かっていない、というのは、「解釈教室」の前書きとか
後書きを読んでないとか、理解出来ていない、ということ?そんなのは
読めば分る。でも自分には空疎に響く。
 根本的なことを指摘するのであれば、「解釈教室」の「はしがき」。

「漢文の摂取に見られた、『外国語→日本語→事柄」という図式がある。
・・・この方法に根本的な倒錯があることは否定しえない」

 という文章ね。ここに大きな問題、間違いがあって、これが伊藤氏の
英語教授法の根本的な問題だと思う。現代日本語、つまり漢文の読み下し
文というのは、現代日本語がそもそも翻訳的な性質を持っていると
いうことを示している。たとえば今も自分はここで、漢文を翻訳する
ような文章を書いている。この日本語の性質のことを、伊藤氏は全く
理解しないで、安易に、「英語→事柄→日本語」と続かなければ
ならないと言っている。そしてその「事柄」というのはどうも
彼にとっては、「英語の形」であるらしい。
 そもそも日本語には翻訳的な側面があるという理解がないので、
彼自身、日本語がうまく使えていない。日本語の性質を理解しないで、
あるいは日本語が翻訳語であるということを理解していないから、
日本語がもっているもっとも優れた性質を殺してしまっている。
だから英語の形式主義に陥ってしまっている。
 あるいは英語から発想して、そこから日本語に到達しようとする無謀な
試みが繰り返されてしまっている。まるで帰国子女に、あるいは外国人
に日本語への翻訳法を諭すかのように。つまり英語の成り立ちを意識化
させた上で、それを日本語に翻訳する方法を教えるかのように。
 伊藤氏の教え方ではあくまでも、英語→日本語という思考のプロセス
しか生じないのであって、日本語→英語というプロセスは生じない。
日本語→英語というプロセスでも英語の世界に入っていけるほどに
日本語という言語が優れているということを彼は理解していない。
伊藤氏の英語学習法では、結局は日本語に閉塞してしまうと思う。
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