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★真夜中の古文・漢文・現代文質問教室No.2★
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57 名前:岩波大悟:2003/12/31 06:22
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質問いたします。
非常に簡単な文章なのですが,次の問題がわかりません。
(C)「この傾向」の指示する内容を答えよ。
比喩的な表現は、すでに述べたとおり詩の言葉一般がそうであるように、
日常的な言葉の枠を破った、そこからはみ出した表現です。日常的な言葉が
「基準」であるとするならば、それはそこからの「逸脱」ないしは「ずれ」
ということになります。ところで、一般に次のようなことが言えそうです。
つまり、「基準」的な表現は特に「ずれた」表現を想起させるということは
ないが、逆に、「ずれた」表現は一般にそれに対応する「基準」的な表現を
想起させるということです。たとえば、「花咲ク」という表現からは私たち
は特に「花」以外の何物をも連想しないでしょうが、「花笑ウ」という表現
に接すれば、<花>と<人>のイメージが重なって感じられます。同じように、
「オ空ガ泣イテイルヨ」という表現では<降雨>ということが<人が泣く>
ということと重なります。しかし、「赤チャンガ泣イテイルヨ」という表現から
<雨が降っている>ということを連想することは,ふつうならまずないでしょう。
比喩がふつうのものでなければないほど、(C)この傾向ははっきりとしてきます。
たとえば、「彫刻ハ凍レル音楽ナリ」と言った場合には、明らかに<彫刻>
と<音楽>という二つのイメージの重なりがありますが、だからといって
「彫刻」という言葉が日常用いられるすべての場合において<音楽>の
イメージが重なっているなどということは言えないわけです。(この関係は、
ある人を描いた絵を見ればそのもとの人のことを考えるのに、本人を見て
その人の絵に描かれたのを考えるということはふつうないというのに似ています。)