NO.10389757
みんなで難関大数学を攻略しよう!
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0 名前:通りすがりの元鉄緑会大阪校の講師:2005/08/14 15:18
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今日はじめて、何かのはずみで、このサイトに来てみて
皆さんが勉強に悩み、打ちこんでいる姿に共感しました。
そこで皆さんの手助けになれるよう今日から数学講義をしようと
思います。(やる気の続く限り)
週1~2問のペースで50問くらい続ければいいけどなと
思いますので、宜しくね。
なお、題材はすべて過去問です。やはり、教授達が一年に
一回の為に、苦労して作った傑作が多いため、非常に力がつきます。
でも解答はすべて私のオリジナルで書きます。
僕のボケ防止と、何よりも皆様の数学力向上のため、楽しく解きましょう!
では、
問1:すべての正の実数x、yに対し√x+√y≦k√2x+y
が成り立つような実数kの最小値を求めよ。 (1995東大)
解答その1:
「すべての正の実数x、yに対し、√x+√y≦k√2x+y」
⇔「すべての正の実数x、yに対し√x+√y/√2x+y≦k」?
ここに√2x=rcosθ √y=rsinθ {x>0 y>0のときr>0 0<θ<π/2}
とおけば右辺=√1/2・cosθ+sinθ=√3/2・sin(θ+α)≦√3/2
ここでαはtanα=1/√2なる角。
θ+α=/2のときこの等号は成立するので、√x+√y/√2x+yのx>0 y>0
における最大値は√3/2であり?⇔√3/2≦k (答)√3/2
本解答では「置き換えによりいかに式を簡単にしていくか」に注目して欲しい。
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438 名前:元塾講師:2006/02/09 11:39
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解説:写像の考え方には2つの考え方を使い分けてもらわなければならない。
順像的な考え(順像法)と逆像的な考え(逆像法)という2つである。
順像法とは写像を順番どおり解析していく手法であり、本問ではまずQを決め、それに従いRを
決めるという(順番どおり決定していく)考え方である。
逆像法とはRの存在条件として、1つ前のQの存在に着目し、Qを題意の条件を満たすような形で
存在せしめるRが題意に適うという、「Rの存在条件をQの存在条件で処理する」(R→Qという
逆対応(逆写像)を考えることでRの存在条件を考えるという)考え方である。
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439 名前:元塾講師:2006/02/09 11:41
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例えば次の問題で考えてみる。
「直線L: y = mx + m^2 において、mがm≧0を満たして変わるとき、直線Lの通過領域を
求めよ。」
この問題はそのまま読めば、mを決めるとLが1つ決まるから、mをいろいろと動かして考える
時、直線の動きを考えるという m → L という流れを持つ。
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440 名前:元塾講師:2006/02/09 11:44
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これを順像法で考えるなら、mをいろいろ動かした時のLの通過領域を直接考えることになる。
といってもm = 1 のときy = x + 1 , m = 2 のときy = 2x + 4 ,…などと考えていくにし
ても一気に直線の動きの全体像を捉えることはできないので、まずある固定されたx 座標での
動きを考える。例えば x = 1 の位置に限定して考えると直線はm = 1のときy = 2 , m = 2
のときy = 6 , …… とyの位置が決まってくる。x = 1 の位置に限定して考えると一般に m≧0
に対し、 y = m + m^2 と決まってくるので、mをいろいろ変えていく時yはそれに対応して
y = ( m + 1/2)^2 - 1/4 ≧0 (等号はm = 0のとき) の範囲で変わることになる。つまり、
x = 1 の位置に限定して考える限り、(∞>) y ≧0 が直線Lの通過領域ということになる。
あとはこの考えを一般の各xについても押し進めて考えれば良い。つまり
『xを固定して考えると、
y = mx + m^2 = ( m + x/2)^2 - x^2/4 (= f (m)とおく)において、mがm≧0の
範囲で変化する時のyの値域は?)- x/2≧0のとき: y ≧ f(- x/2) = - x^2/4
?)- x/2<0のとき: y ≧ f(0) = 0
よって求める通過領域は"x≦0かつy ≧ - x^2/4 " 又は" x>0かつ y ≧ 0 "である』
多変数関数の動きなので、文字固定法という技法を用いはしたが、本質はmの変化ごとの
yのとり得る値域を求めるという順番どおりの考え方であることを納得していただきたい。
(以上順像法)
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441 名前:元塾講師:2006/02/09 11:46
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これに対し逆像法では次のように考える。
『点(x , y)が求める領域内にある ⇔ y = mx + m^2 を満たすmがm≧0の範囲で存在する
⇔ mの方程式 m^2 + mx - y = 0 がm≧0の範囲で解を持つ
ここでg(m) = m^2 + mx - y = ( m + x/2)^2 - x^2/4 - y とおけば、g(m)のグラフはm = - x/2
を対称軸とする下に凸な放物線であるから、これがm軸とm≧0の範囲で共有点を持つ条件は、
?)- x/2≧0のときg (- x/2)≦0 ?) - x/2<0のときg (0) ≦0
整理して"x≦0かつy ≧ - x^2/4 " or " x>0かつ y ≧ 0 "。
これが求める通過領域を表す式である。』
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442 名前:元塾講師:2006/02/09 11:48
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つまり点(1 , 2)が求める通過領域内にあるか否かは、あるmがあってy = mx + m^2が点(1 , 2)
を通るように出来るか、つまり2 = m・1 + m^2を満たすmが存在するか否かに依存する。今m = 1
はこれを満たすので、このmに対し2 = m・1 + m^2が成り立つ、即ち、このmに対しy = mx + m^2
が点(1 , 2)を通ることが確かめられる。
この考えを一般に押し進めると点(x , y)が求める領域内にあるかどうかは 、y = mx + m^2 を
満たすmがm≧0の範囲で存在するかどうか問題にすりかえられる。もしある点(x , y)が求める領域
内にあるとすればy = mx + m^2 を満たすmがm≧0の範囲で存在するはずだし、
逆にもしy = mx + m^2 を満たすmがm≧0の範囲で存在するならば、そのmに対して決まる直線は点
(x , y)を通ることは確実である。このように(x , y)の存在条件をmの存在条件にすりかえて考
えていく、即ち(x , y)→m という形で、本来の流れに逆行して考えることで(x , y)が満たすべ
き必要十分条件を求めていくというのが逆像法である。
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443 名前:元塾講師:2006/02/09 11:50
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本問の場合Q→Rという流れどおり、Qを(パラメータを用いて)表示し、それを基に決まるRを
求めた上で軌跡の問題としてRの動きを検討していくのが順像法。(解答2)
Rの存在を前駆的なQの存在の問題にすりかえて、題意を満たすRについてはその前駆的な存在
としてのQが存在するはずであるし(必要性)、逆にQを条件内に存在せしめるようなRであれば、
そのQからRを作成できる(十分性)というR→Qという流れの中からRの満たすべき条件を決めて
いくというのが逆像法ということになる。 (解答1)
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444 名前:元塾講師:2006/02/09 11:55
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解説2:本問ではRの軌跡を求めるのであるから、逆像法で考える方が直接的にX, Y の関係式
を得られるので楽であることは、比較すればすぐに分かることと思う。
ちなみに解答1でt が存在する為には「Y ≠ -2√2が必要」としたのは、Y =2√2のときはt
が存在しない(したがってQが存在しない)ので、Y =2√2のようなRは題意を満たさないので
考える必要がない(求める領域内には無い)ということである。
ともかくRが求める領域内にあるならば、その前駆的存在としてQが条件内に決まることが
必要(かつ十分)なのであり、
Y ≠ -2√2はRが満たすべき必要条件である。
そして、Y ≠ -2√2かつX^2 + (Y - √2)^2 = 2 が「Qを条件に適
うように存在せしめる」R( X , Y , 0 )に関しての必要十分条件なのである。
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445 名前:元塾講師:2006/02/09 11:57
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>>444 訂正:
「Y =2√2のときはt
が存在しない(したがってQが存在しない)ので、Y =2√2のようなRは題意を満たさないので
考える必要がない」
→
「Y =-2√2のときはt
が存在しない(したがってQが存在しない)ので、Y =-2√2のようなRは題意を満たさないので
考える必要がない」
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446 名前:元塾講師:2006/02/09 11:59
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なお、>>107の解説や >>175の式(関数)の値域を求める問題(これは問1の別解)で、式 = k
とおいてxが条件に適う実数解をもつようにkの範囲を求めるというのも同じ逆像法の考え方である。
つまりx →kという決まり方に対し、k →x という逆対応を考察することで、
「xを条件に適うように逆対応せしめるkであれば、再びそのxからkを作ることが出来る以上、
そのkは可能なのである(とり得る範囲内にあると考えるのである)」と判断される。
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447 名前:元塾講師:2006/02/09 12:00
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解説3:
解答1と解答2の違いで注意したいのは、X^2 + (Y - √2)^2 = 2という式だけを見るならば、
これはR( X , Y , 0 )のx座標とy座標の関係式で、Rが円x^2 + (y - √2) ^2 = 2 上にあ
ることを示すに過ぎない。つまりRがこの円上のどの部分を動くかとか、この円全体を動き得る
のかとかまではこの式だけからは汲み取れない、だから一般に軌跡領域の問題では、x座標とy座
標の関係式を出した最後にパラメータの変化に対する、実際のX、Yの変域を調べたりして、この
円上のすべてを動き得るのか、一部を描くに過ぎないのかを論じる必要がある。例えば、解答2の
最後の説明がそれであり、これは必須のものである。
しかし解答1においてはその説明は不要である。というのもQを(条件に適うように)存在せしめる
Rの必要十分条件が、X^2 + (Y - √2)^2 = 2であるので、Rを円x^2 + (y - √2) ^2 = 2
上のどの点として想定しても、その1つ手前の状態(逆写像)としてQを存在させれるので、そのRは
可能な点であるから。Rは円上のあらゆる点として考えてよい(あり得る)ということになる。
ここらあたりの理論は解答1、解答2では異なってくる。この2つの解法は考え方が全く違う
(180°違う)のでそれぞれの理論にしたがって正しい論証をして欲しい。
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448 名前:元塾講師:2006/02/09 12:01
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この順像法、逆像法は高校数学のあらゆる場面で出てくるのでしっかりした理解が必要である。
単に軌跡領域分野で問題になるだけではなく、写像、変換、置き換えなどあらゆる数式処理
の場面で基礎的な考え方になります。この視点から数式処理の部分を振りかえってみて下さい。
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449 名前:元塾講師:2006/02/09 12:04
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参考1: y = mx + m^2とy = - x^2/4はx = 2mの位置で接しながら動く。
逆に言えば直線y = mx + m^2は放物線y = - x^2/4のx = 2mの位置における
接線として動く。
このように動図形(パラメータによって動く図形)が一定の曲線に接しながら動くことはよく研究
されており、この曲線を包絡線と呼ぶ。(必須事項ではないが、知っておくと役立つこともある)
参考2:円板Cの方程式はz = yかつx^2 + (y - 1/√2)^2 + (z - 1/√2)^2 ≦ 1 である。
なお、(空間図形で)円とは「球と平面の交わりとして得られる曲線」であるという見方は役立つことがある。
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450 名前:元塾講師:2006/02/14 11:52
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訂正:
「y = mx + m^2とy = - x^2/4はx = 2mの位置で接しながら動く。」
→「y = mx + m^2とy = - x^2/4はx = -2mの位置で接しながら動く。」
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451 名前:元塾講師:2006/02/14 11:55
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問48:
長さ2の線分NSを直径とする球面Kがある。点Sにおいて平面Kに接する平面の上で、Sを
中心とする半径2の四分円(円周の1/4の長さをもつ円弧)の円弧AB及び線分ABをあわ
せて得られる曲面上を、点Pが1周する。このとき、線分NPと球面Kとの交点Qが描く曲面
の長さを求めよ。
(1980 東大)
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452 名前:元塾講師:2006/02/14 11:56
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Introduction:平面は3点で決定される。という認識が大切である。
その他、空間図形を考えるときは適当な断面図で考えるというのが鉄則だろう。
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453 名前:元塾講師:2006/02/14 12:00
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解答:
?)Pが円弧AB上を動くとき: 常にSP = 2であり、△SNPは等辺の長さが2の二等辺三角形。
NPと球Kとの交点Qについては∠SQN=90°であるから、QはSから底辺NPに下ろした垂線の足
といえ、二等辺三角形SNPにおいてはQはNPの中点である。従って、NSの中点(球Kの中心)
をOとおけば、中点連結定理よりOQ//SP , OQ = (1/2)・SP = 1 (=一定)
つまり、QはPと平行に半径1の四分円の円弧を移動する。その曲線の長さは2π×1/4 = π/2。
?)Pが線分AB上を動くとき: NP全体は三角形NAB(という面)を形成するので、求める
曲線は△NABと球Kの交線である。これは平面NABと球Kの交円の一部ということになる。
ABの中点をMとおくと、Oから平面NABに下ろした垂線の足は対称性よりNM上にある。
△ NSMにおいて図より(図は略) OH = ON・sin∠ANM = ON・(SM/NM) = 1・(√2/√6)
= 1/√3 であり、これが球kの中心Oと平面NABの距離であるから、求める交円の半径は
√{1 - (1/√3)^2} = √(2/3) となる。Qの描く円弧は、その円周角が∠ANB = 60°
よりその中心角は120°であるから、この交円の1/3周分になる。その曲線の長さは
1/3×2π√(2/3) = 2π√6/9 。
?)、?)を合わせて求める曲線の長さは(1/2 + 2√6/9)π …(答)
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454 名前:元塾講師:2006/02/14 12:04
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解説:
?)のとき、NPは(全体として)円錐の側面を形成する。?)のとき、NPは面(平面)を形成する。
そのように全体として図形的に考えることが大切である。
「木を見て森を見ず」という視点では科学は理解出来ません。そんな大きな視点も数学では大切である。
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455 名前:元塾講師:2006/02/14 12:11
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では次に(他のスレで話題になっております)微積分に移ります。
式の解析方法としての微分法や積分計算、積分数列等については式の扱いのところで
取り上げていますので、ここでは求積問題を中心に取り上げます。(後日)
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456 名前:匿名さん:2006/02/18 04:07
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>>158
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457 名前:匿名さん:2006/02/18 13:26
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神スレです。
1からやってます
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458 名前:元塾講師:2006/02/19 09:56
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問49:
f (x) = πx^2・sin(πx^2) とする。y = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲まれた図形
をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積Vは
V = 2π∫{0~1}x f (x) dx で与えられることを示し、この値を求めよ。
(1989 東大)
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459 名前:元塾講師:2006/02/19 09:58
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Introduction:
y = f (x) の概形を論じる所でも、いくつか工夫がいる。
求積の方法は、単純に軸に垂直に切ってもよいし、軸に平行な切り方になるように(短冊切りに)
パラメータを設定し、積分の本質から論じても構わない。(→別解。これをバームクウヘン型分
割と呼ぶ人もいるようである。正しい論証をしていただければ、どんな切り方でもよいが非典型
的な切り方では論理ミスをしやすいので論証に注意がいる。)
初級者は解答を読み解くのに苦労するかもしれないが、この1問から微積分の基礎 - 微分とは
何か、積分とはどのような操作か、置換・変換の仕組み- を学んでおいて下さい。後々生きてき
ますよ。
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460 名前:元塾講師:2006/02/19 10:00
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解答:
y = f (x) の概形について:
f '(x) = 2πx・sin (πx^2) +πx^2・2πx・cos (πx^2)
= 2πx (sin (πx^2) +πx^2・cos (πx^2))
= {2πx/ cos (πx^2) }・(πx^2 + tan (πx^2) ) 〔πx^2≠π/2のとき〕
√2π 〔πx^2 =π/2のとき〕
ここでπx^2 =θとおき、g (θ) = θ + tanθ 〔θ≠π/2, 0<θ<π〕 の符合について調べる。
g ' (θ) = 1 + 1 / (cosθ)^2 >0 よりg (θ) はθ(≠π/2) について単調増加関数である。
ここで、g (0) = 0 , lim〔θ→π/2 - 0〕 g (θ) = ∞ , lim〔θ→π/2 + 0〕 g (θ) =
- ∞ ,g (π) = πであることを考えると、g (θ) = 0はπ/2<θ<πの範囲に唯1つの実数解を
もつ。これをc とおけば、
0<θ<π/2 , c<θ<πにおいてはg (θ) > 0
π/2<θ<c においてはg (θ) < 0 となる。
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461 名前:元塾講師:2006/02/19 10:01
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よってf '(x) において、
ア) 0<θ<π/2 ⇔ 0<x<1/√2 のときf '(x)>0
イ) θ=π/2 ⇔ x = 1/√2 のとき f '(x)>0
ウ) π/2<θ<c ⇔ 1/√2<x<√(c/π) のとき f '(x)>0
エ) θ= c ⇔ x = √(c/π) のとき f '(x) = 0
オ) c<θ<π ⇔ √(c/π)<x<π のとき f '(x)<0
まとめると0≦x≦1の範囲で連続な関数f (x)は
‘0≦x≦√(c/π)の範囲で単調に増加し、x = √(c/π)において極大値をとり、
√(c/π)≦x≦πの範囲で単調に減少する。’
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462 名前:元塾講師:2006/02/19 10:03
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次にy = f (x)〔0≦x≦1〕において極大を与えるxをkとおき、 極大値をf (k) = p とおく。
y = f (x)のグラフと、直線y = t (0≦t≦p) は2つの交点(共有点)をもつので、これらを小さい
方から、α, βとおくと、求める立体の平面y = t (0≦t≦p)による切り口は、
線分{(x , y)│α≦x≦β かつy = t }をy 軸の回りに回転させたもので、その面積はS(t) =
(β^2 - α^2)π 。よって求める体積はV = ∫{0~p}(β^2 - α^2)π・dt
= π∫{0~p}β^2 dt -π∫{0~p}α^2 dt
ここでαとtの関係式、f (α) = t において両辺をtで微分して、
(dα/dt) ・f '(α) = 1 ∴dt = f '(α) dα また、t : 0→1のときαは単調にα:0→kと変化す
るので∫{0~p}α^2 dt = ∫{0~k}α^2 f '(α) dα …?
同様にf (β) = t において両辺をtで微分して、
(dβ/dt) ・f '(β) = 1 ∴dt = f '(β) dβ また、t : 0→1のときαは単調にβ:1→kと変化す
るので∫{0~p}β^2 dt = ∫{1~k}β^2 f '(β) dβ …?
?、?を(※)に代入して
V = π∫{1~k}β^2 f '(β) dβ - π∫{0~k}α^2 f '(α) dα
= -π∫{k~1}x^2 f '(x) dx - π∫{0~k}x^2 f '(x) dx
= -π∫{0~1}x^2 f '(x) dx
= - π[x^2 f (x)] + π∫{0~1}2x f (x) dx
= - f (1) + 2π∫{0~1}x f (x) dx
= 2π∫{0~1}x f (x) dx 。 (前半の証明終わり)
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463 名前:元塾講師:2006/02/19 10:05
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次にV = 2π∫{0~1}x f (x) dx = 2π∫{0~1}πx^3・sin(πx^2) dx
においてπx^2 = u とおく。πx^2 = uの両辺をx で微分してdu/dx = 2πx ∴2πx・dx = du
また、xが0→1まで変化する時、u は0→π まで単調に変化するから、
V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答)
長い解答になってしまいました…。ふっー。
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464 名前:元塾講師:2006/02/19 10:06
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解説:
(前半のy = f (x)の概形について)
sin (πx^2) +πx^2・cos (πx^2)の符合を調べる為に、sin θ +θ・cos θの符合を調べようと
しても、導関数は捉えにくい。もう一息変形して綺麗にしておく必要があるようである。
なお、f (x)のグラフをより正確に書くために、凸性まで(上に凸か下に凸か)調べようとすると、
f ''(x)の符合が問題になるが、本問では求積の立式に役立てられる範疇で図を書ければ十分と思
われる。
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465 名前:元塾講師:2006/02/19 10:09
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(後半の求積部分について)
文字が多くなっているが、何をやっているのかを見失わないように。当然ですがα,βはtの
関数として扱います。そのことを意識化する為に、α(t) ,β(t)と書いても良いでしょう。
α^2も何らかのtの関数(tの式のかたまり)であるが(そもそも∫{0~p}α^2・dt とい
う式はdtとしている以上、被積分関数をtの関数と見なしている。)、被積分関数をα^2と
おいて、つまり何らかのtの関数のひとかたまりをαとおきかえて(置換して)式を整理し
ているのである。被積分関数はtの式では綺麗に表せないが、αに関してであればα^2と綺麗
に表示できるから。ならば同じ積分量を、すべてパラメータαで置換し表示しなおして考え
ることが計算を進める為に大切であろう。文字をおきかえるというのは、とりもなおさず
変換や写像という(新しい文字世界での評価をしていくという)数学的思考があることは
何度か述べた。従って、変域も含めすべて新文字での世界に変えることが大切である
(文字間の必要十分な対応関係を考えながら)。そこでt↔αの対応関係を考えながら、
tをαで置換するのである。
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466 名前:元塾講師:2006/02/19 10:12
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別解:
y = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲まれた図形のうち、まず
0≦x≦t の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積をV(t)とおくと、
0≦x≦t + Δt の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積はV(t +Δt)。
ここでV(t +Δt) - V(t) を考えるとこれはy = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲ま
れた図形のうちt≦x≦t + Δt の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積で、
これは底面の半径がt + Δt 、高さf (t)の円柱から、底面の半径がt 、高さf (t)の円柱をくりぬ
いた立体の体積に近似できるから、
V(t +Δt)- V(t)≒{2π・(t +Δt)2 - 2π・t ^2}×f (t) = 2πt f (t) Δt + 2π(Δt ) ^2
(左辺をΔVとおくとΔV≒2πt f (t) Δt + 2π(Δt ) ^2 ここでΔt≒0のとき更に2πt f (t) Δt
に近似できる)
辺々をΔtで割って、Δt→0 とすれば dV/dt = 2πt f (t) を得る。よって
パラメータtの区間と求める体積の対応を考えて、V = 2π∫{0~1}t f (t) dt。
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467 名前:元塾講師:2006/02/19 10:13
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次にV = 2π∫{0~1}x f (x) dx = 2π∫{0~1}πx^3・sin(πx^2) dx
においてπx^2 = u とおくと、両辺をx で微分してdu/dx = 2πx ∴2πx・dx = du
また、xが0→1まで変化する時、u は0→π まで単調に変化するから、
V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答)
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468 名前:元塾講師:2006/02/19 10:18
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訂正:>>463,>>467 の最後
「V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答)」
→
「V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + ∫{0~π}cos u du } = π …(答)」
2πが邪魔でした。もちろんここは部分積分の公式を使っています。
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469 名前:元塾講師:2006/02/19 10:32
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解説:
体積が積分の形で求まるのは、それをあるパラメータの関数として考えた場合、体積のパラメータ
による微分がわかるからである。(教科書的説明では。)
つまりdV/dt = S(t) という式はdV = S dt を意味するが、(tがtから dt増加する時、
tの関数Vがtの変化のS倍だけ増加する)このときにV(k) - V (0) が∫{0~k} S(t) dtと求ま
るのである。つまりこのようなSを求めることが求積の本質なのである。
(dV/dtはtの関数であるVの、tごとの瞬間の変化の仕方を表し、接線の傾きでもある。)
とすれば、tの変化に対するVの変化であるΔV/Δt を考えることが求積の本質で、これがどのよう
なt の関数で求まるかが問題であるが、後でΔt →0として、dV/dtを求めるので
ΔV/Δt を考えるときにおいても例えばΔtの項や、(Δt) ^2の項などΔtの0次より大きい項につい
ては、極限を取れば0に収束するので、これらは誤差として無視して厳密に考えなくて良い。解答
中の≒が意味するところは、正確には不等式として評価され議論されるべきではあるが、極限的に
dV と dtの関係を考えるときに必要なのはΔVがΔtの一次の部分でどのように近似されるか(Δtの
一次の係数が何か)だけであって、Δtの2次の部分などはΔV/ΔtにおいてΔt →0として考える場合、
0として見なせるような(0に収束する)誤差に過ぎないから、はなから無視しても良いということ
である
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470 名前:元塾講師:2006/02/19 10:34
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繰り返しますが、体積が積分の形で求まるのは、体積のパラメータによる微分量が求まるから
であり、特にパラメータと断面が同方向に動く限り、パラメータtの増加Δtに対する、体積の
増加量ΔVはΔV≒S(t) Δt であるから、ここからdV = S(t) dt およびV = ∫S(t) dtが得ら
れる。
微分とは、求める量のパラメータによる極限的、瞬間的、局所的な変化の仕方を求めることで
あるが、それが分かったとき本体の量が分かるということである。微分とは量の瞬間的な(=
局所的な)変化を捉えることとして理解し、積分は微分の逆(微分されたものを元の状態に戻
す操作)として理解してよいと思われる。
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471 名前:元塾講師:2006/02/24 12:59
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問50:
xyz空間において、平面z = 1上の原点を中心とする半径2の円を底面とし、点( 0 , 0 , 1 )を
頂点とする円錐をAとする。次に、平面z = 0上の点( 1 , 0 , 0 )を中心とする半径1の円をH,
平面z = 1上の点( 1 , 0 , 1 )を中心とする半径1の円をKとする。
HとKを2つの底面とする円柱をBとする。
円錐Aと円柱Bの共通部分をCとする。
0≦t≦1を満たす実数tに対し、平面z = tによるCの切り口の面積をS(t) とおく。
(1)0≦θ≦t/2とする。t = 1 - cosθのときS(t)をθで表せ。
(2)Cの体積∫[0,1] S(t) dtを求めよ。
(2003 東大)
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472 名前:元塾講師:2006/02/24 13:02
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解答:
(1)平面z = tによるCの切り口は、平面z = tによる円錐Aの切り口(これを円Xとする)
と円柱Bの切り口(これを円Yとする)の共通部分である。
ここで円Xは円錐Aの底面を頂点( 0 , 0 , 1 )を中心に、比1 : 1 - t の割合で相似拡大した
ものであり、中心 A '( 0 , 0 , t ) 半径 2 (1 - t) の円となる。
また円Yは中心B '( 1 , 0 , t ) 半径 1の円である。この2円X, Yの位置関係については
│2円の半径の差│≦2円の中心間の距離 = 1 ≦ 2円の半径の和
であるから、図のように2つの共有点P, Qを持ち、求める断面積Sは円Xの弧PQと円Yの弧PQで囲
まれる面積である。(図は略)
ここで図のように角θを設定すれば、(円Xの弧PQに対する中心角∠PA'Qを2θとしている)△PA'B'
は等辺の長さがB'A' = B'P = 1 、底辺がPA' = 2 (1 - t)であるから
1 - t = cosθであり、円Xの弧PQと線分PQで囲まれる部分の面積は
(扇形A'PQ) - (△A'PQ) = (1/2){2 (1 - t)}^2・(2θ) - (1/2)・{2 (1 - t)}^2・(sin2θ)
= 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
また、∠PB'Q = 2π - 4θであるから、円Yの弧PQと線分PQで囲まれる部分の面積は
(扇形B'PQ) - (△B'PQ) = (1/2)・1^2・(2π - 4θ) - (1/2)・1^2・sin(2π - 4θ)
=π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ)
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473 名前:元塾講師:2006/02/24 13:07
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求める面積はこの和で、
π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
=π + 2θ・{2(cosθ)^2 - 1 } + {(cos 2θ) - 2(cosθ)^2}・(sin2θ)〔∵sin4θ = 2sin2θcos 2θ〕
=π + 2θ・cos 2θ - sin2θ 〔∵cos 2θ = 2(cosθ)^2 - 1〕
…(答)
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474 名前:元塾講師:2006/02/24 13:08
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(2) (1)より V = ∫[0,1] S(t) dt = ∫[0,1](π + 2θ・cos 2θ - sin2θ) dt
= π + ∫[0,1] ( 2θ・cos 2θ - sin2θ) dtであり、
ここでパラメータθとt についてt = 1 - cosθ という関係式が成り立つから、
両辺をθで微分して、dt/dθ = sinθ ∴dt = sinθdθ また、
tがt : 0→1と変化するとき、θはθ:0→π/2 と単調に変化するので、
V =π +∫[0,π/2] ( 2θ・cos 2θ - sin2θ) sinθdθ
=π+ 2∫[0,π/2]θ・cos 2θ・sinθdθ-∫[0,π/2] sin2θsinθdθ
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475 名前:元塾講師:2006/02/24 13:09
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ここで、cos 2θ・sinθ = {sin(θ+ 2θ) + sin(θ- 2θ)}×(1/2) = (1/2) sin3θ - (1/2) sinθ
であるから、2∫[0,π/2]θ・cos 2θ・sinθdθ = ∫[0,π/2]θ・(sin3θ - sinθ)dθ
= [θ・{- (1/3)cos3θ + cosθ}] - ∫[0,π/2] {- (1/3)cos3θ + cosθ}dθ
= 0 - [- (1/9) sin3θ + sinθ] = -{(1/9) + 1} = - 10/9 。
また、sin 2θ・sinθ={cos(2θ+θ) - cos(2θ-θ)}×(-1/2) = - (1/2) cos 3θ+ (1/2) cosθ
であるから、∫[0,π/2] sin2θsinθdθ = [- (1/6) sin3θ + (1/2)sinθ] = 1/6 + 1/2 - 0
= 2/3 。
従って、V = π - 10/9 - 2/3 = π - 16/9 …(答)
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476 名前:元塾講師:2006/02/24 13:10
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解説:
(1)Sはtの関数であるから、イメージとしてはtの式という感じで捉えられる。しかし、Sを実際に
表現しようとすれば、Sが円弧に囲まれる図形であるだけに、円弧の中心角を持ち出す必要がある。
本問ではその為にθを設定してくれている。ここでθはあくまでtの関数であるのだから面積はやは
りtの関数で、S(t)と書いて良いものである。
しかし、現実S(t)という同じ量をパラメータθで表現した方が、綺麗な表現になるであろうから、
積分計算では同じ量をパラメータθで置換することにより計算を進めていく。
後で関数の積分計算をする必要性から次数下げをしておく、つまり、sinkθ、coskθの一次式を
目指して、sine , cosineの2乗の部分を倍角のsine , cosineの一次式で表現しつつ、
π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
=π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・{(1 + cos 2θ)/2} - 2{(1 + cos 2θ)/2}・(sin2θ)
=π + 2θ・cos 2θ + (1/2) ・(sin4θ) - sin2θ - sin2θcos 2θ
=π + 2θ・cos 2θ - sin2θ
というように変形しても構わない。
いずれにせよ。(2)の為にも、整理した形で(1)の答えを書いておいたほうが良い。
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477 名前:元塾講師:2006/02/24 13:13
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解説:
(2)三角関数の積分計算に慣れているだろうか。この為に必要なのは、sinθ、cosθの高次式を
sinkθ、coskθの一次式にまで変形していくことである。その時に積→和、倍角、3倍角の
公式を駆使していくことである。
私はこれらの公式は暗記していないので、加法定理からどのように角を定めれば、sin・sin
、cos・cos、sin・cosが得られるか考えていった。
尚、(sinθ)^2 = (1 - cos 2θ)/2 , (cosθ)^2 = (1 + cos 2θ)/2 , sinθcosθ = (1/2) sin2θ
の三式くらいは、三角関数の計算における次数下げとして非常に良く使うのでこのまま覚えて
おくと便利である。
(積分計算や、三角関数の最大最小問題において、1つのシンプルな式に合成していく為に使う)
例えば、(sinθ)^2・(cosθ)^3 = {(1/2) sin2θ}^2・(cosθ)
= (1/4) ・(sin2θ) ^2・(cosθ) = (1/4)・{(1 - cos 4θ)/2}・(cosθ)
= (1/8) cosθ - (1/8) cos4θcosθ
= (1/8) cosθ - (1/8) ・(1/2){cos (4θ+θ) + cos (4θ-θ)}
= (1/8) cosθ - (1/16) cos 5θ - (1/16) cos 3θ
という具合に次数下げをしていくのである。
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478 名前:匿名さん:2006/03/01 08:23
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三角関数乙です!!
厚かましいかもしれませんが、図形の計量&平面図形&二次曲線
(要は座標平面やベクトル、複素平面を使わない、純粋な幾何)
あたりを扱う予定はありませんか?
あまり、現在大学入試には出題されてませんが、昭和20年代の東大、京大の入試には
頻繁に出題されていたと、聞いたのですが。
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479 名前:匿名さん:2006/03/01 11:26
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えー
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480 名前:元塾講師:2006/03/03 09:43
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同じく、えー
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481 名前:元塾講師:2006/03/03 09:45
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問51:
rを正の実数とする。xyz空間において
x^2 + y^2 ≦ r^2
y^2 + z^2 ≧ r^2
z^2 + x^2 ≦ r^2
をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。
(2005 東大)
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482 名前:元塾講師:2006/03/03 09:48
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解答:
求める立体の平面x = k 〔但し、- r≦ k ≦r として考える〕による切り口を表す式は
y^2 + z^2 ≧ r^2 かつ│y│≦√(r^2 - k^2) かつ│z│≦√(r^2 - k^2)
であるから、これは(平面x = k上で)図の斜線部のような四つの領域を表す。 (図は略)
但し、この図形が存在する為の条件は、一辺が√(r^2 - k^2)の正方形の対角線の長さ =
√2・√(r^2 - k^2) ≧ rであるから、│k│≦ r /√2である。
このもとで、この図形の面積をS(k) とおくと、また図のようにr sinθ = k のようなθを用いると、(1/4) S(k)
= (一辺が√(r^2 - k^2)の正方形) - (直角三角形2つ) - (半径r中心角π/2 - 2θの扇形)
= (r^2 - k^2) - (r sinθ)(r cosθ) - (1/2)・r^2・(π/2 - 2θ)
= r ^2 {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)}
よって求める体積は、対称性も考えて、
V = ∫[- r /√2 , r /√2] S(k) dk = 2∫[0 , r /√2] S(k) dk
= 8 (r ^2)∫[0 , r /√2] {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)} dk 。
ここでk = r sinθのときdk/dθ = r cosθ であり、k が0 → r /√2と変化するとき
θは0→π/4 と単調に変化するのでkの式をθで置換して、
V = 8 (r ^2)∫[0 ,π/4] {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)}・r cosθ・dθ
= 8 (r ^3)∫[0 ,π/4] {(cosθ) ^3 - (1/2) sin2θcosθ- (π/4 -θ) cosθ}dθ (※)
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483 名前:元塾講師:2006/03/03 09:50
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ところで、(cosθ) ^3 = (1/4) cos3θ + (3/4) cosθ , sin2θcosθ = (1/2){sin(2θ+θ) + sin(2θ-θ)}= (1/2){sin3θ + sinθ}であるから、
∫[0 ,π/4] (cosθ) ^3 dθ = ∫[0 ,π/4] {(1/4) cos3θ + (3/4) cosθ}dθ
= [(1/12) sin 3θ + (3/4) sinθ] = 5 /(6√2)
∫[0 ,π/4] sin2θcosθdθ= ∫[0 ,π/4] (1/2){sin3θ + sinθ}dθ
= (1/2) [- (1/3) cos 3θ - cosθ] = 2/3 - 1 /(3√2)
また、
∫[0 ,π/4] (π/4 -θ) cosθdθ = [(π/4 -θ) sinθ] - ∫[0 ,π/4] (-1) ・sinθdθ
= 0 + [- cosθ] = 1 - 1 /√2
以上の値を(※)に代入して、
V = 8 (r ^3){5 /(6√2) - 1/3 + 1 /(6√2) - 1 +1 /√2} = {(8√2) - 32/3}・r ^3 …(答)
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484 名前:元塾講師:2006/03/03 09:53
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解説:
まず断面積Sを求めないと始まらないが、その為に角θを設定する必要があろう。
積分計算では、kの式をθで置換して計算することになるのでやはり三角関数の積分が問題に
なります。すばやく正確に式変形と計算ができるように慣れてきましょう。
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485 名前:元塾講師:2006/03/03 09:54
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解説2:
どのような平面で切るかは、ある程度検討しておくと計算量を減らせる。本問はyとzに関しては
対称性があるが、完全な対称性は無いのでどこで切っても同じということではない。
もっとも、どこで切っても(正しい理論で進め、置換をしまくれば)出来るはずであるし、練習
段階ではあらゆる切り方を試して比較しておいて欲しいところである。
念の為別の平面で切って解答を書いておく。やや計算が大変になるが、東大を受ける人はこの程度
の計算がすばやく正確に出来るように訓練しておく必要があるようである。2004年の求積の問題、
1998年の求積の問題も類題であるので参考にしておいて欲しい。ちなみに、京大を受ける人は
ここまではいらないと思う。(私が京大の教官であれば、この問題がきちっと正解できるような
人に特別興味がないので、このような問題を出題しない。)京大の微積は漸化式を立てさせたり、
図形に絡めたり、もう少し抽象的、基礎的な問題が多いようである。その分、中学・高校数学
全般の基本的な内容を知ってさえいればよく、計算は楽である。
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486 名前:元塾講師:2006/03/03 09:56
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別解:
求める立体の平面z = k 〔但し、- r≦ k ≦r として考える〕による切り口を表す式は
x^2 + y^2 ≦ r^2 かつ│y│≧√(r^2 - k^2) かつ│x│≦√(r^2 - k^2)
であるから、これは一辺が√(r^2 - k^2)の正方形の対角線の長さ =√2・√(r^2 - k^2) と
円の半径rを比較して
√2・√(r^2 - k^2)≧r ⇔│k│≦ r /√2のときは図1 、√2・√(r^2 - k^2)≧r ⇔│k│≧ r /√2
のときは図2の斜線部の領域を表す。(図は略)
この図形の面積をS(k) とおき、また図のようにr sinθ = k のようなθを用いると、
?)│k│≦ r /√2のとき
(1/4) S(k)
= (半径r中心角θの扇形) - (底辺k 高さr cosθの直角三角形)
=(1/2)・r^2・θ - (1/2) (r sinθ)(r cosθ)
= (1/2)・r ^2・(θ - sinθcosθ)
?)│k│≧ r /√2のとき
(1/4) S(k)
= (半径r中心角π/2 -θの扇形) + (底辺r cosθ高さkの直角三角形) - (一辺r cosθの正方形)
=(1/2)・r^2・(π/2 -θ) + (1/2) (r sinθ)(r cosθ) - r^2・(cosθ)^2
=(1/2)・r^2{(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}
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487 名前:元塾講師:2006/03/03 10:00
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よって求める体積は、対称性も考えて、
V = ∫[- r , r ] S(k) dk = 2∫[0 , r ] S(k) dk
= 4 (r ^2)∫[0 , r /√2] (θ - sinθcosθ) dk
+ 4 (r ^2)∫[r /√2 , r] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2} dk
ここでk = r sinθよりdk/dθ = r cosθ であり、k が0 → r /√2 , r /√2→ rと変化するとき
θは0→π/4 ,π/4→π/2と単調に変化するので、
V = 4 (r ^2)∫[0 ,π/4] (θ - sinθcosθ)・r cosθ・dθ +
4 (r ^2)∫[π/4 ,π/2] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}・r cosθ・dθ
この第2式において、π/2 -θ= ψとおくと、- dθ= dψであり、θがπ/4 →π/2と変化するとき、
ψはπ/4 →0と単調に変化するから、
∫[π/4 ,π/2] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}・cosθ・dθ
= ∫[π/4 , 0] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・(- dψ)
= ∫[0 ,π/4 ] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・dψ
よって
V = 4 (r ^3)∫[0 ,π/4] (θ - sinθcosθ)・cosθ・dθ +
4 (r ^3) ∫[0 ,π/4 ] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・dψ
= 4(r ^3)∫[0 ,π/4]{θ(cosθ+ sinθ) - sinθ・(cosθ)^2 + (sinθ)^2・cosθ- 2(sinθ)^3}dθ
(※)