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みんなで難関大数学を攻略しよう!

0 名前:通りすがりの元鉄緑会大阪校の講師:2005/08/14 15:18
今日はじめて、何かのはずみで、このサイトに来てみて
皆さんが勉強に悩み、打ちこんでいる姿に共感しました。
そこで皆さんの手助けになれるよう今日から数学講義をしようと
思います。(やる気の続く限り)
週1~2問のペースで50問くらい続ければいいけどなと
思いますので、宜しくね。
なお、題材はすべて過去問です。やはり、教授達が一年に
一回の為に、苦労して作った傑作が多いため、非常に力がつきます。
でも解答はすべて私のオリジナルで書きます。
僕のボケ防止と、何よりも皆様の数学力向上のため、楽しく解きましょう!

では、
問1:すべての正の実数x、yに対し√x+√y≦k√2x+y
が成り立つような実数kの最小値を求めよ。 (1995東大)

解答その1:
「すべての正の実数x、yに対し、√x+√y≦k√2x+y」
⇔「すべての正の実数x、yに対し√x+√y/√2x+y≦k」?
ここに√2x=rcosθ √y=rsinθ {x>0 y>0のときr>0 0<θ<π/2}
とおけば右辺=√1/2・cosθ+sinθ=√3/2・sin(θ+α)≦√3/2
ここでαはtanα=1/√2なる角。
θ+α=/2のときこの等号は成立するので、√x+√y/√2x+yのx>0 y>0
における最大値は√3/2であり?⇔√3/2≦k (答)√3/2

本解答では「置き換えによりいかに式を簡単にしていくか」に注目して欲しい。
451 名前:元塾講師:2006/02/14 11:55
問48:
長さ2の線分NSを直径とする球面Kがある。点Sにおいて平面Kに接する平面の上で、Sを
中心とする半径2の四分円(円周の1/4の長さをもつ円弧)の円弧AB及び線分ABをあわ
せて得られる曲面上を、点Pが1周する。このとき、線分NPと球面Kとの交点Qが描く曲面
の長さを求めよ。
                               (1980 東大)
452 名前:元塾講師:2006/02/14 11:56
Introduction:平面は3点で決定される。という認識が大切である。
その他、空間図形を考えるときは適当な断面図で考えるというのが鉄則だろう。
453 名前:元塾講師:2006/02/14 12:00
解答:
?)Pが円弧AB上を動くとき: 常にSP = 2であり、△SNPは等辺の長さが2の二等辺三角形。
NPと球Kとの交点Qについては∠SQN=90°であるから、QはSから底辺NPに下ろした垂線の足
といえ、二等辺三角形SNPにおいてはQはNPの中点である。従って、NSの中点(球Kの中心)
をOとおけば、中点連結定理よりOQ//SP , OQ = (1/2)・SP = 1 (=一定)
つまり、QはPと平行に半径1の四分円の円弧を移動する。その曲線の長さは2π×1/4 = π/2。

?)Pが線分AB上を動くとき: NP全体は三角形NAB(という面)を形成するので、求める
曲線は△NABと球Kの交線である。これは平面NABと球Kの交円の一部ということになる。
ABの中点をMとおくと、Oから平面NABに下ろした垂線の足は対称性よりNM上にある。
△ NSMにおいて図より(図は略) OH = ON・sin∠ANM = ON・(SM/NM) = 1・(√2/√6)
= 1/√3 であり、これが球kの中心Oと平面NABの距離であるから、求める交円の半径は
√{1 - (1/√3)^2} = √(2/3) となる。Qの描く円弧は、その円周角が∠ANB = 60°
よりその中心角は120°であるから、この交円の1/3周分になる。その曲線の長さは
1/3×2π√(2/3) = 2π√6/9 。

?)、?)を合わせて求める曲線の長さは(1/2 + 2√6/9)π …(答)
454 名前:元塾講師:2006/02/14 12:04
解説:
?)のとき、NPは(全体として)円錐の側面を形成する。?)のとき、NPは面(平面)を形成する。
そのように全体として図形的に考えることが大切である。
「木を見て森を見ず」という視点では科学は理解出来ません。そんな大きな視点も数学では大切である。
455 名前:元塾講師:2006/02/14 12:11
では次に(他のスレで話題になっております)微積分に移ります。
式の解析方法としての微分法や積分計算、積分数列等については式の扱いのところで
取り上げていますので、ここでは求積問題を中心に取り上げます。(後日)
456 名前:匿名さん:2006/02/18 04:07
>>158
457 名前:匿名さん:2006/02/18 13:26
神スレです。
1からやってます
458 名前:元塾講師:2006/02/19 09:56
問49:
f (x) = πx^2・sin(πx^2) とする。y = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲まれた図形
をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積Vは
V = 2π∫{0~1}x f (x) dx で与えられることを示し、この値を求めよ。
                                  (1989 東大)
459 名前:元塾講師:2006/02/19 09:58
Introduction:
y = f (x) の概形を論じる所でも、いくつか工夫がいる。
求積の方法は、単純に軸に垂直に切ってもよいし、軸に平行な切り方になるように(短冊切りに)
パラメータを設定し、積分の本質から論じても構わない。(→別解。これをバームクウヘン型分
割と呼ぶ人もいるようである。正しい論証をしていただければ、どんな切り方でもよいが非典型
的な切り方では論理ミスをしやすいので論証に注意がいる。) 
初級者は解答を読み解くのに苦労するかもしれないが、この1問から微積分の基礎 - 微分とは
何か、積分とはどのような操作か、置換・変換の仕組み- を学んでおいて下さい。後々生きてき
ますよ。
460 名前:元塾講師:2006/02/19 10:00
解答:
y = f (x) の概形について:
f '(x) = 2πx・sin (πx^2) +πx^2・2πx・cos (πx^2)
= 2πx (sin (πx^2) +πx^2・cos (πx^2))
= {2πx/ cos (πx^2) }・(πx^2 + tan (πx^2) ) 〔πx^2≠π/2のとき〕
     √2π 〔πx^2 =π/2のとき〕
ここでπx^2 =θとおき、g (θ) = θ + tanθ 〔θ≠π/2, 0<θ<π〕 の符合について調べる。
g ' (θ) = 1 + 1 / (cosθ)^2 >0 よりg (θ) はθ(≠π/2) について単調増加関数である。
ここで、g (0) = 0 , lim〔θ→π/2 - 0〕 g (θ) = ∞ , lim〔θ→π/2 + 0〕 g (θ) =
- ∞ ,g (π) = πであることを考えると、g (θ) = 0はπ/2<θ<πの範囲に唯1つの実数解を
もつ。これをc とおけば、
0<θ<π/2 , c<θ<πにおいてはg (θ) > 0
π/2<θ<c においてはg (θ) < 0 となる。
461 名前:元塾講師:2006/02/19 10:01
よってf '(x) において、
ア) 0<θ<π/2 ⇔ 0<x<1/√2 のときf '(x)>0
イ) θ=π/2 ⇔ x = 1/√2 のとき f '(x)>0
ウ) π/2<θ<c ⇔ 1/√2<x<√(c/π) のとき f '(x)>0
エ) θ= c ⇔ x = √(c/π) のとき f '(x) = 0
オ) c<θ<π ⇔ √(c/π)<x<π のとき f '(x)<0
まとめると0≦x≦1の範囲で連続な関数f (x)は
‘0≦x≦√(c/π)の範囲で単調に増加し、x = √(c/π)において極大値をとり、
√(c/π)≦x≦πの範囲で単調に減少する。’
462 名前:元塾講師:2006/02/19 10:03
次にy = f (x)〔0≦x≦1〕において極大を与えるxをkとおき、 極大値をf (k) = p とおく。
y = f (x)のグラフと、直線y = t (0≦t≦p) は2つの交点(共有点)をもつので、これらを小さい
方から、α, βとおくと、求める立体の平面y = t (0≦t≦p)による切り口は、
線分{(x , y)│α≦x≦β かつy = t }をy 軸の回りに回転させたもので、その面積はS(t) =
(β^2 - α^2)π 。よって求める体積はV = ∫{0~p}(β^2 - α^2)π・dt
                    = π∫{0~p}β^2 dt -π∫{0~p}α^2 dt
ここでαとtの関係式、f (α) = t において両辺をtで微分して、
(dα/dt) ・f '(α) = 1 ∴dt = f '(α) dα また、t : 0→1のときαは単調にα:0→kと変化す
るので∫{0~p}α^2 dt = ∫{0~k}α^2 f '(α) dα  …?
同様にf (β) = t において両辺をtで微分して、
(dβ/dt) ・f '(β) = 1 ∴dt = f '(β) dβ また、t : 0→1のときαは単調にβ:1→kと変化す
るので∫{0~p}β^2 dt = ∫{1~k}β^2 f '(β) dβ  …?
?、?を(※)に代入して
V = π∫{1~k}β^2 f '(β) dβ - π∫{0~k}α^2 f '(α) dα
=  -π∫{k~1}x^2 f '(x) dx - π∫{0~k}x^2 f '(x) dx
= -π∫{0~1}x^2 f '(x) dx
= - π[x^2 f (x)] + π∫{0~1}2x f (x) dx
= - f (1) + 2π∫{0~1}x f (x) dx
= 2π∫{0~1}x f (x) dx 。  (前半の証明終わり)
463 名前:元塾講師:2006/02/19 10:05
次にV = 2π∫{0~1}x f (x) dx = 2π∫{0~1}πx^3・sin(πx^2) dx
においてπx^2 = u とおく。πx^2 = uの両辺をx で微分してdu/dx = 2πx ∴2πx・dx = du
また、xが0→1まで変化する時、u は0→π まで単調に変化するから、
V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答) 

長い解答になってしまいました…。ふっー。
464 名前:元塾講師:2006/02/19 10:06
解説:
(前半のy = f (x)の概形について)
sin (πx^2) +πx^2・cos (πx^2)の符合を調べる為に、sin θ +θ・cos θの符合を調べようと
しても、導関数は捉えにくい。もう一息変形して綺麗にしておく必要があるようである。
なお、f (x)のグラフをより正確に書くために、凸性まで(上に凸か下に凸か)調べようとすると、
f ''(x)の符合が問題になるが、本問では求積の立式に役立てられる範疇で図を書ければ十分と思
われる。
465 名前:元塾講師:2006/02/19 10:09
(後半の求積部分について)
文字が多くなっているが、何をやっているのかを見失わないように。当然ですがα,βはtの
関数として扱います。そのことを意識化する為に、α(t) ,β(t)と書いても良いでしょう。
α^2も何らかのtの関数(tの式のかたまり)であるが(そもそも∫{0~p}α^2・dt とい
う式はdtとしている以上、被積分関数をtの関数と見なしている。)、被積分関数をα^2と
おいて、つまり何らかのtの関数のひとかたまりをαとおきかえて(置換して)式を整理し
ているのである。被積分関数はtの式では綺麗に表せないが、αに関してであればα^2と綺麗
に表示できるから。ならば同じ積分量を、すべてパラメータαで置換し表示しなおして考え
ることが計算を進める為に大切であろう。文字をおきかえるというのは、とりもなおさず
変換や写像という(新しい文字世界での評価をしていくという)数学的思考があることは
何度か述べた。従って、変域も含めすべて新文字での世界に変えることが大切である
(文字間の必要十分な対応関係を考えながら)。そこでt↔αの対応関係を考えながら、
tをαで置換するのである。
466 名前:元塾講師:2006/02/19 10:12
別解:
y = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲まれた図形のうち、まず
0≦x≦t の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積をV(t)とおくと、
0≦x≦t + Δt の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積はV(t +Δt)。
ここでV(t +Δt) - V(t) を考えるとこれはy = f (x) のグラフの0≦x≦1の部分とx軸とで囲ま
れた図形のうちt≦x≦t + Δt の部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積で、
これは底面の半径がt + Δt 、高さf (t)の円柱から、底面の半径がt 、高さf (t)の円柱をくりぬ
いた立体の体積に近似できるから、
V(t +Δt)- V(t)≒{2π・(t +Δt)2 - 2π・t ^2}×f (t) = 2πt f (t) Δt + 2π(Δt ) ^2
(左辺をΔVとおくとΔV≒2πt f (t) Δt + 2π(Δt ) ^2  ここでΔt≒0のとき更に2πt f (t) Δt
 に近似できる)
辺々をΔtで割って、Δt→0 とすれば dV/dt = 2πt f (t) を得る。よって
パラメータtの区間と求める体積の対応を考えて、V = 2π∫{0~1}t f (t) dt。
467 名前:元塾講師:2006/02/19 10:13
次にV = 2π∫{0~1}x f (x) dx = 2π∫{0~1}πx^3・sin(πx^2) dx
においてπx^2 = u とおくと、両辺をx で微分してdu/dx = 2πx ∴2πx・dx = du
また、xが0→1まで変化する時、u は0→π まで単調に変化するから、
V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答) 
468 名前:元塾講師:2006/02/19 10:18
訂正:>>463,>>467 の最後
「V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + 2π∫{0~π}cos u du } = π …(答)」

「V = ∫{0~π}u・sin u du ={[u ・(- cos u)] + ∫{0~π}cos u du } = π …(答)」
 
2πが邪魔でした。もちろんここは部分積分の公式を使っています。
469 名前:元塾講師:2006/02/19 10:32
解説:
体積が積分の形で求まるのは、それをあるパラメータの関数として考えた場合、体積のパラメータ
による微分がわかるからである。(教科書的説明では。)
つまりdV/dt = S(t) という式はdV = S dt を意味するが、(tがtから dt増加する時、
tの関数Vがtの変化のS倍だけ増加する)このときにV(k) - V (0) が∫{0~k} S(t) dtと求ま
るのである。つまりこのようなSを求めることが求積の本質なのである。
(dV/dtはtの関数であるVの、tごとの瞬間の変化の仕方を表し、接線の傾きでもある。)
とすれば、tの変化に対するVの変化であるΔV/Δt を考えることが求積の本質で、これがどのよう
なt の関数で求まるかが問題であるが、後でΔt →0として、dV/dtを求めるので
ΔV/Δt を考えるときにおいても例えばΔtの項や、(Δt) ^2の項などΔtの0次より大きい項につい
ては、極限を取れば0に収束するので、これらは誤差として無視して厳密に考えなくて良い。解答
中の≒が意味するところは、正確には不等式として評価され議論されるべきではあるが、極限的に
dV と dtの関係を考えるときに必要なのはΔVがΔtの一次の部分でどのように近似されるか(Δtの
一次の係数が何か)だけであって、Δtの2次の部分などはΔV/ΔtにおいてΔt →0として考える場合、
0として見なせるような(0に収束する)誤差に過ぎないから、はなから無視しても良いということ
である
470 名前:元塾講師:2006/02/19 10:34
繰り返しますが、体積が積分の形で求まるのは、体積のパラメータによる微分量が求まるから
であり、特にパラメータと断面が同方向に動く限り、パラメータtの増加Δtに対する、体積の
増加量ΔVはΔV≒S(t) Δt であるから、ここからdV = S(t) dt およびV = ∫S(t) dtが得ら
れる。
微分とは、求める量のパラメータによる極限的、瞬間的、局所的な変化の仕方を求めることで
あるが、それが分かったとき本体の量が分かるということである。微分とは量の瞬間的な(=
局所的な)変化を捉えることとして理解し、積分は微分の逆(微分されたものを元の状態に戻
す操作)として理解してよいと思われる。
471 名前:元塾講師:2006/02/24 12:59
問50:
xyz空間において、平面z = 1上の原点を中心とする半径2の円を底面とし、点( 0 , 0 , 1 )を
頂点とする円錐をAとする。次に、平面z = 0上の点( 1 , 0 , 0 )を中心とする半径1の円をH,
平面z = 1上の点( 1 , 0 , 1 )を中心とする半径1の円をKとする。
HとKを2つの底面とする円柱をBとする。
円錐Aと円柱Bの共通部分をCとする。
0≦t≦1を満たす実数tに対し、平面z = tによるCの切り口の面積をS(t) とおく。
(1)0≦θ≦t/2とする。t = 1 - cosθのときS(t)をθで表せ。
(2)Cの体積∫[0,1] S(t) dtを求めよ。
                               (2003 東大)
472 名前:元塾講師:2006/02/24 13:02
解答:
(1)平面z = tによるCの切り口は、平面z = tによる円錐Aの切り口(これを円Xとする)
と円柱Bの切り口(これを円Yとする)の共通部分である。
ここで円Xは円錐Aの底面を頂点( 0 , 0 , 1 )を中心に、比1 : 1 - t の割合で相似拡大した
ものであり、中心 A '( 0 , 0 , t ) 半径 2 (1 - t) の円となる。
また円Yは中心B '( 1 , 0 , t ) 半径 1の円である。この2円X, Yの位置関係については
│2円の半径の差│≦2円の中心間の距離 = 1 ≦ 2円の半径の和
であるから、図のように2つの共有点P, Qを持ち、求める断面積Sは円Xの弧PQと円Yの弧PQで囲
まれる面積である。(図は略)
ここで図のように角θを設定すれば、(円Xの弧PQに対する中心角∠PA'Qを2θとしている)△PA'B'
は等辺の長さがB'A' = B'P = 1 、底辺がPA' = 2 (1 - t)であるから
1 - t = cosθであり、円Xの弧PQと線分PQで囲まれる部分の面積は
(扇形A'PQ) - (△A'PQ) = (1/2){2 (1 - t)}^2・(2θ) - (1/2)・{2 (1 - t)}^2・(sin2θ)
            = 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
また、∠PB'Q = 2π - 4θであるから、円Yの弧PQと線分PQで囲まれる部分の面積は
(扇形B'PQ) - (△B'PQ) = (1/2)・1^2・(2π - 4θ) - (1/2)・1^2・sin(2π - 4θ)
            =π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ)
473 名前:元塾講師:2006/02/24 13:07
求める面積はこの和で、
π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
=π + 2θ・{2(cosθ)^2 - 1 } + {(cos 2θ) - 2(cosθ)^2}・(sin2θ)〔∵sin4θ = 2sin2θcos 2θ〕
=π + 2θ・cos 2θ - sin2θ  〔∵cos 2θ = 2(cosθ)^2 - 1〕
 …(答)
474 名前:元塾講師:2006/02/24 13:08
(2) (1)より V = ∫[0,1] S(t) dt = ∫[0,1](π + 2θ・cos 2θ - sin2θ) dt
= π + ∫[0,1] ( 2θ・cos 2θ - sin2θ) dtであり、
ここでパラメータθとt についてt = 1 - cosθ という関係式が成り立つから、
両辺をθで微分して、dt/dθ = sinθ ∴dt = sinθdθ また、
tがt : 0→1と変化するとき、θはθ:0→π/2 と単調に変化するので、
V =π +∫[0,π/2] ( 2θ・cos 2θ - sin2θ) sinθdθ
=π+ 2∫[0,π/2]θ・cos 2θ・sinθdθ-∫[0,π/2] sin2θsinθdθ
475 名前:元塾講師:2006/02/24 13:09
ここで、cos 2θ・sinθ = {sin(θ+ 2θ) + sin(θ- 2θ)}×(1/2) = (1/2) sin3θ - (1/2) sinθ
であるから、2∫[0,π/2]θ・cos 2θ・sinθdθ = ∫[0,π/2]θ・(sin3θ - sinθ)dθ
= [θ・{- (1/3)cos3θ + cosθ}] - ∫[0,π/2] {- (1/3)cos3θ + cosθ}dθ
= 0 - [- (1/9) sin3θ + sinθ] = -{(1/9) + 1} = - 10/9 。
また、sin 2θ・sinθ={cos(2θ+θ) - cos(2θ-θ)}×(-1/2) = - (1/2) cos 3θ+ (1/2) cosθ
であるから、∫[0,π/2] sin2θsinθdθ = [- (1/6) sin3θ + (1/2)sinθ] = 1/6 + 1/2 - 0
= 2/3 。

従って、V = π - 10/9 - 2/3 =  π - 16/9 …(答)
476 名前:元塾講師:2006/02/24 13:10
解説:
(1)Sはtの関数であるから、イメージとしてはtの式という感じで捉えられる。しかし、Sを実際に
表現しようとすれば、Sが円弧に囲まれる図形であるだけに、円弧の中心角を持ち出す必要がある。
本問ではその為にθを設定してくれている。ここでθはあくまでtの関数であるのだから面積はやは
りtの関数で、S(t)と書いて良いものである。
しかし、現実S(t)という同じ量をパラメータθで表現した方が、綺麗な表現になるであろうから、
積分計算では同じ量をパラメータθで置換することにより計算を進めていく。
後で関数の積分計算をする必要性から次数下げをしておく、つまり、sinkθ、coskθの一次式を
目指して、sine , cosineの2乗の部分を倍角のsine , cosineの一次式で表現しつつ、
π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・(cosθ)^2 - 2(cosθ)^2・(sin2θ)
=π - 2θ + (1/2) ・(sin4θ) + 4θ・{(1 + cos 2θ)/2} - 2{(1 + cos 2θ)/2}・(sin2θ)
=π + 2θ・cos 2θ + (1/2) ・(sin4θ) - sin2θ - sin2θcos 2θ 
=π + 2θ・cos 2θ - sin2θ
というように変形しても構わない。
いずれにせよ。(2)の為にも、整理した形で(1)の答えを書いておいたほうが良い。
477 名前:元塾講師:2006/02/24 13:13
解説:
(2)三角関数の積分計算に慣れているだろうか。この為に必要なのは、sinθ、cosθの高次式を
sinkθ、coskθの一次式にまで変形していくことである。その時に積→和、倍角、3倍角の
公式を駆使していくことである。
私はこれらの公式は暗記していないので、加法定理からどのように角を定めれば、sin・sin
、cos・cos、sin・cosが得られるか考えていった。
尚、(sinθ)^2 = (1 - cos 2θ)/2 , (cosθ)^2 = (1 + cos 2θ)/2 , sinθcosθ = (1/2) sin2θ
の三式くらいは、三角関数の計算における次数下げとして非常に良く使うのでこのまま覚えて
おくと便利である。
(積分計算や、三角関数の最大最小問題において、1つのシンプルな式に合成していく為に使う)
例えば、(sinθ)^2・(cosθ)^3 = {(1/2) sin2θ}^2・(cosθ)
= (1/4) ・(sin2θ) ^2・(cosθ) = (1/4)・{(1 - cos 4θ)/2}・(cosθ)
= (1/8) cosθ - (1/8) cos4θcosθ
= (1/8) cosθ - (1/8) ・(1/2){cos (4θ+θ) + cos (4θ-θ)}
= (1/8) cosθ - (1/16) cos 5θ - (1/16) cos 3θ
という具合に次数下げをしていくのである。
478 名前:匿名さん:2006/03/01 08:23
三角関数乙です!!
厚かましいかもしれませんが、図形の計量&平面図形&二次曲線
(要は座標平面やベクトル、複素平面を使わない、純粋な幾何)
あたりを扱う予定はありませんか?
あまり、現在大学入試には出題されてませんが、昭和20年代の東大、京大の入試には
頻繁に出題されていたと、聞いたのですが。
479 名前:匿名さん:2006/03/01 11:26
えー
480 名前:元塾講師:2006/03/03 09:43
同じく、えー
481 名前:元塾講師:2006/03/03 09:45
問51:
rを正の実数とする。xyz空間において
x^2 + y^2 ≦ r^2
y^2 + z^2 ≧ r^2
z^2 + x^2 ≦ r^2
をみたす点全体からなる立体の体積を求めよ。
                          (2005  東大)
482 名前:元塾講師:2006/03/03 09:48
解答:
求める立体の平面x = k 〔但し、- r≦ k ≦r として考える〕による切り口を表す式は
y^2 + z^2 ≧ r^2 かつ│y│≦√(r^2 - k^2) かつ│z│≦√(r^2 - k^2)
であるから、これは(平面x = k上で)図の斜線部のような四つの領域を表す。 (図は略)
但し、この図形が存在する為の条件は、一辺が√(r^2 - k^2)の正方形の対角線の長さ =
√2・√(r^2 - k^2) ≧ rであるから、│k│≦ r /√2である。
このもとで、この図形の面積をS(k) とおくと、また図のようにr sinθ = k のようなθを用いると、(1/4) S(k)
= (一辺が√(r^2 - k^2)の正方形) - (直角三角形2つ) - (半径r中心角π/2 - 2θの扇形) 
= (r^2 - k^2) - (r sinθ)(r cosθ) - (1/2)・r^2・(π/2 - 2θ)
= r ^2 {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)}
よって求める体積は、対称性も考えて、
V = ∫[- r /√2 , r /√2] S(k) dk = 2∫[0 , r /√2] S(k) dk
= 8 (r ^2)∫[0 , r /√2] {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)} dk 。

ここでk = r sinθのときdk/dθ = r cosθ であり、k が0 → r /√2と変化するとき
θは0→π/4 と単調に変化するのでkの式をθで置換して、
V = 8 (r ^2)∫[0 ,π/4] {(cosθ) ^2 - (1/2) sin2θ - (π/4 -θ)}・r cosθ・dθ
  = 8 (r ^3)∫[0 ,π/4] {(cosθ) ^3 - (1/2) sin2θcosθ- (π/4 -θ) cosθ}dθ (※)
483 名前:元塾講師:2006/03/03 09:50
ところで、(cosθ) ^3 = (1/4) cos3θ + (3/4) cosθ , sin2θcosθ = (1/2){sin(2θ+θ) + sin(2θ-θ)}= (1/2){sin3θ + sinθ}であるから、
∫[0 ,π/4] (cosθ) ^3 dθ = ∫[0 ,π/4] {(1/4) cos3θ + (3/4) cosθ}dθ
                  = [(1/12) sin 3θ + (3/4) sinθ] = 5 /(6√2)
∫[0 ,π/4] sin2θcosθdθ= ∫[0 ,π/4] (1/2){sin3θ + sinθ}dθ
                  = (1/2) [- (1/3) cos 3θ - cosθ] = 2/3 - 1 /(3√2)
また、
∫[0 ,π/4] (π/4 -θ) cosθdθ = [(π/4 -θ) sinθ] - ∫[0 ,π/4] (-1) ・sinθdθ
                     = 0 + [- cosθ] = 1 - 1 /√2

以上の値を(※)に代入して、
V = 8 (r ^3){5 /(6√2) - 1/3 + 1 /(6√2) - 1 +1 /√2} = {(8√2) - 32/3}・r ^3 …(答)
484 名前:元塾講師:2006/03/03 09:53
解説:
まず断面積Sを求めないと始まらないが、その為に角θを設定する必要があろう。
積分計算では、kの式をθで置換して計算することになるのでやはり三角関数の積分が問題に
なります。すばやく正確に式変形と計算ができるように慣れてきましょう。
485 名前:元塾講師:2006/03/03 09:54
解説2:
どのような平面で切るかは、ある程度検討しておくと計算量を減らせる。本問はyとzに関しては
対称性があるが、完全な対称性は無いのでどこで切っても同じということではない。
もっとも、どこで切っても(正しい理論で進め、置換をしまくれば)出来るはずであるし、練習
段階ではあらゆる切り方を試して比較しておいて欲しいところである。
念の為別の平面で切って解答を書いておく。やや計算が大変になるが、東大を受ける人はこの程度
の計算がすばやく正確に出来るように訓練しておく必要があるようである。2004年の求積の問題、
1998年の求積の問題も類題であるので参考にしておいて欲しい。ちなみに、京大を受ける人は
ここまではいらないと思う。(私が京大の教官であれば、この問題がきちっと正解できるような
人に特別興味がないので、このような問題を出題しない。)京大の微積は漸化式を立てさせたり、
図形に絡めたり、もう少し抽象的、基礎的な問題が多いようである。その分、中学・高校数学
全般の基本的な内容を知ってさえいればよく、計算は楽である。
486 名前:元塾講師:2006/03/03 09:56
別解:
求める立体の平面z = k 〔但し、- r≦ k ≦r として考える〕による切り口を表す式は
x^2 + y^2 ≦ r^2 かつ│y│≧√(r^2 - k^2) かつ│x│≦√(r^2 - k^2)
であるから、これは一辺が√(r^2 - k^2)の正方形の対角線の長さ =√2・√(r^2 - k^2) と
円の半径rを比較して
√2・√(r^2 - k^2)≧r ⇔│k│≦ r /√2のときは図1 、√2・√(r^2 - k^2)≧r ⇔│k│≧ r /√2
のときは図2の斜線部の領域を表す。(図は略)
この図形の面積をS(k) とおき、また図のようにr sinθ = k のようなθを用いると、
?)│k│≦ r /√2のとき
(1/4) S(k)
= (半径r中心角θの扇形) - (底辺k 高さr cosθの直角三角形)
=(1/2)・r^2・θ - (1/2) (r sinθ)(r cosθ)
= (1/2)・r ^2・(θ - sinθcosθ)
?)│k│≧ r /√2のとき
(1/4) S(k)
= (半径r中心角π/2 -θの扇形) + (底辺r cosθ高さkの直角三角形) - (一辺r cosθの正方形)
=(1/2)・r^2・(π/2 -θ) + (1/2) (r sinθ)(r cosθ) - r^2・(cosθ)^2
=(1/2)・r^2{(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}
487 名前:元塾講師:2006/03/03 10:00
よって求める体積は、対称性も考えて、
V = ∫[- r , r ] S(k) dk = 2∫[0 , r ] S(k) dk
= 4 (r ^2)∫[0 , r /√2] (θ - sinθcosθ) dk
+ 4 (r ^2)∫[r /√2 , r] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2} dk 

ここでk = r sinθよりdk/dθ = r cosθ であり、k が0 → r /√2 , r /√2→ rと変化するとき
θは0→π/4 ,π/4→π/2と単調に変化するので、
V = 4 (r ^2)∫[0 ,π/4] (θ - sinθcosθ)・r cosθ・dθ +
4 (r ^2)∫[π/4 ,π/2] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}・r cosθ・dθ
この第2式において、π/2 -θ= ψとおくと、- dθ= dψであり、θがπ/4 →π/2と変化するとき、
ψはπ/4 →0と単調に変化するから、
∫[π/4 ,π/2] {(π/2 -θ) + sinθcosθ - 2(cosθ)^2}・cosθ・dθ
= ∫[π/4 , 0] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・(- dψ)
= ∫[0 ,π/4 ] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・dψ
よって
V = 4 (r ^3)∫[0 ,π/4] (θ - sinθcosθ)・cosθ・dθ +
4 (r ^3) ∫[0 ,π/4 ] {ψ + cosψsinψ- 2(sinψ)^2}・sinψ・dψ

= 4(r ^3)∫[0 ,π/4]{θ(cosθ+ sinθ) - sinθ・(cosθ)^2 + (sinθ)^2・cosθ- 2(sinθ)^3}dθ
                                                    (※)
488 名前:元塾講師:2006/03/03 10:01
ここで、{(cosθ)^3}' = 3(cosθ)^2・(- sinθ) , {(sinθ)^3}' = 3(sinθ)^2・(cosθ)
であるから、∫[0 ,π/4] {- sinθ・(cosθ)^2 + (sinθ)^2・cosθ}dθ
= (1/3) [ (cosθ)^3 + (sinθ)^3] = 1/(3√2) - 1/3 。
また、 (sinθ)^3 = (3/4)・sinθ - (1/4)・sin3θであるから、
∫[0 ,π/4] {(sinθ)^3}dθ = [- (3/4)・cosθ + (1/12)・cos3θ] = - 5/(6√2) + 2/3 。
更に、 ∫[0 ,π/4] {θ(cosθ+ sinθ) }dθ
=[θ(sinθ- cosθ) ] - ∫[0 ,π/4] (sinθ- cosθ) dθ = 0 + [cosθ+ sinθ] = √2 - 1 。

よってこれらを(※)に代入して
V = (8√2 - 32/3) ・(r ^3) …(答)
489 名前:元塾講師:2006/03/03 10:03
別解の注:
(※)以下の計算は次のようにしても良い。

- sinθ・(cosθ)^2 + (sinθ)^2・cosθ- 2(sinθ)^3
= - sinθ・(1/2 + cos 2θ/2) + (1/2 - cos 2θ/2)・cosθ- 2{(3/4)・sinθ - (1/4)・sin3θ}
= - sinθ・(1/2 + cos 2θ/2) + (1/2 - cos 2θ/2)・cosθ- 2{(3/4)・sinθ - (1/4)・sin3θ}
= - (1/2) ・sinθ- (1/2) ・(1/2){sin 3θ- sinθ} + (1/2)・cosθ
- (1/2) ・(1/2){cos3θ+ cosθ}- (3/2)・sinθ + (1/2)・sin3θ
= - (7/4) ・sinθ + (1/4)・cosθ - (1/4)・cos3θ + (1/4)・sin3θ
であるから
∫[0 ,π/4] {- sinθ・(cosθ)^2 + (sinθ)^2・cosθ- 2(sinθ)^3}dθ
= [ (7/4) ・cosθ + (1/4)・sinθ- (1/12)・sin3θ - (1/12)・cos3θ]
=√2 - 5/3
また、
∫[0 ,π/4] {θ(cosθ+ sinθ) }dθ
=[θ(sinθ- cosθ) ] - ∫[0 ,π/4] (sinθ- cosθ) dθ
= 0 + [cosθ+ sinθ] = √2 - 1
よってV = 4 (r ^3){(√2 - 1) + (√2 - 5/3)}= (8√2 - 32/3) ・(r ^3) …(答)
490 名前:まぃ:2006/03/03 14:03
これ分かりますか?教えてくださぃ!
問い?
シュウ酸結晶H2C2O4・?H2O 6.3gを水に溶かし100mlの水溶液にした、このシュウ酸H2C2O4のモル濃度求めよ。またこの溶液を10mlとるとその中にH2C2O4は何モル含まれるか。
491 名前:まぃ:2006/03/03 14:07
またまたあります(>△<;)

?98パーセント濃硫酸(密度1.84g/cm3)のモル濃度

?12mol/l濃塩酸で比重が1.18の質量パーセント濃度
です。ヨロしくお願いします。答えに確信がもてなくて…‥〃
492 名前:匿名さん:2006/03/03 14:14
>>490-491
あの~思いっきりスレ違いなんですけど。
ここは難関校の数学の問題を扱うスレです。
別のスレで質問してください。
493 名前:匿名さん:2006/03/03 14:56
http://study.milkcafe.net/test/read.cgi/situmon/1081853593/l50
↑これにどうぞ。
494 名前:元塾講師:2006/03/07 11:45
 このスレなかなか荒れないね。…ちょっと残念。
495 名前:元塾講師:2006/03/07 11:46
問52:
放物線y = 3/4 - x^2をy軸の回りに回転して得られる曲面Kを、原点を通り回転軸と45°の角
をなす平面Hで切る。曲面Kと平面Hで囲まれた立体の体積を求めよ。
                         (1983 東大)
496 名前:元塾講師:2006/03/07 11:49
解答1:
Kを表す式はy = 3/4 - (x^2 + z^2) 。また、平面Hをy = xとしても一般性は失われない。
この2つに囲まれた立体U{( x , y , z ) │y ≦ 3/4 - (x^2 + z^2) かつy ≧x}の、
平面y = x + k [ k≧0]による切り口をxz平面に正射影して得られる図形の式は、
x + k ≦ 3/4 - (x^2 + z^2) ⇔ (x - 1)^2 + z^2 ≦1 - k
これはk ≦1のときに領域として存在し、その面積は(1 - k)π。
よって断面積の(正射影する元の)面積は(1 - k)π/ (cos 45°)
次にkが k + Δkに変化するとき、立体Uの断面積の移動量は、平面y = x + k に垂直な方向
に、(cos 45°)×Δkであるから、この2平面で挟まれるU の(一部の)体積は
{(1 - k)π/ (cos 45°)} ×(cos 45°)×Δk = (1 - k)π×Δk 。
よって求める体積は V = ∫[0, 1] (1 - k)π dk = π/2 …(答)
497 名前:元塾講師:2006/03/07 11:51
解答1の解説:
教科書のV = ∫Sdk という公式はあくまで、dV/dk から求められたということに注意しましょう。
解答1のようなパラメータ設定でVとkの関係を考えるときdV/dk = S ではないのですよ。
kの動きと断面Sの動く方向が異なることに注意して下さい。正しくはdV/dk = S×(1/√2)なの
です。あくまで、kがそこからΔk増加したことによる体積変化ΔVがどのようになるかを考えて立式す
るように。
なお解答中で「切り口をxz平面に正射影して得られる図形の式は」として、「切り口の図形の式は」
としなかったのは、確かに2図形の式を連立させれば、共有点(x , y , z)の情報が得られるが、
今回y を消去してx, z の関係式を得ただけであり、これは共有点(x , y , z)の動く図形を表す
というより、それのxz平面への足である点(x , 0 , z)の関係式といったほうが適切な為、全体と
して「切り口をxz平面に正射影して得られる図形の式は」と述べたものである。
x , z だけの関係式なので、これは共有点(x , y , z)が乗るべき図形を示すのではなく、単に
それを正射影した(x , 0 , z)が乗るべき図形の式を示すだけだということなのである。
498 名前:元塾講師:2006/03/07 11:53
解答2:
Kを表す式はy = 3/4 - (x^2 + z^2) また、平面Hをy = xとしても一般性は失われない。
この2つに囲まれた立体の、平面x = k による切り口をyz 平面に正射影して得られる図形を
表す式は、y ≦ (3/4 - k^2) - z^2 …? かつ y ≧ k …?である。 
?、?の境界の2式を連立させてz = ±√(3/4 - k - k^2) を得る。(実数解として求まる
条件は 3/4 - k - k^2 ≧0 ⇔ - 3/2 ≦k≦1/2)
このとき2実数解を±α とおくと、この図形の面積は、
S =∫[-α, α] - (x -α) (x +α) dx = (1/6)・(2α)^3 = (4/3)・(3/4 - k - k^2)^(3/2)
よって求める体積は、V = ∫[-3/2, 1/2] (4/3)・(3/4 - k - k^2)^(3/2) dk
= ∫[-3/2, 1/2] (4/3)・{1- (k + 1/2)^2}^(3/2) dk
ここでk + 1/2 = cosθ とおくとk : -3/2 →1/2 のときθ:π → 0であり、
dk/dθ= - sinθ , {1- (k + 1/2)^2}^(3/2) = (sinθ)^3 であるから、
V = ∫[π, 0] (4/3)・(sinθ)^3 ・(- sinθ) dθ= ∫[0 , π] (4/3)・(sinθ)^4 dθ
また、(sinθ)^4 = {(1 - cos 2θ)/2}^2 = (1/4)・(cos 2θ) ^2 - (1/2)・(cos 2θ) + 1/4
= (1/4)・{(1 + cos 4θ)/2}- (1/2)・(cos 2θ) + 1/4 = (1/8) cos 4θ- (1/2)・(cos 2θ) + 3/8
より、V = (4/3) [ (1/32) sin4θ- (1/4)・(sin2θ) + (3/8)θ] = (4/3)・(3/8)・π = π/2 …(答)
499 名前:元塾講師:2006/03/07 11:54
解答3:
Kを表す式はy = 3/4 - (x^2 + z^2) また、平面Hをy = xとしても一般性は失われない。
この2つに囲まれた立体の、平面z = k による切り口は、この平面上で
y = (3/4 - k^2) - x^2 …? と y = x …? で囲まれる領域である。
?、?の2式を連立させてyを消去すると x^2 + x - (3/4 - k^2) = 0 (☆)これが実数解をもつ
のは(判別式) = 1 + 4・(3/4 - k^2)≧0 ⇔ -1≦k≦1のとき。
このとき2実数解をα,βとおくと、??で囲まれる面積は、
S =∫[α,β] - (x -α) (x -β) dx = (1/6)・(β-α)^3
ここでα,βは(☆)の2解であるから解と係数の関係より、
α+β = -1 , αβ = - (3/4 - k^2) よって(β-α) 2 =(α+β)2 - 4αβ= 4 - 4 k^2
よってS = (1/6)・(4 - 4 k^2)^(3/2) = (4/3)・(1 - k^2)^(3/2)
以上より求める体積は、V = ∫[-1, 1] (4/3)・(1 - k^2)^(3/2) dk
ここでk = cosθ とおくとk : -1 → 1 のときθ:π → 0であり、
dk/dθ= - sinθ , (1 - k^2)^(3/2) = (sinθ)^3 であるから、
V = ∫[π, 0] (4/3)・(sinθ)^3 ・(- sinθ) dθ= ∫[0 , π] (4/3)・(sinθ)^4 dθ
さて、(sinθ)^4 = {(1 - cos 2θ)/2}^2 = (1/4)・(cos 2θ) ^2 - (1/2)・(cos 2θ) + 1/4
= (1/4)・{(1 + cos 4θ)/2}- (1/2)・(cos 2θ) + 1/4 = (1/8) cos 4θ- (1/2)・(cos 2θ) + 3/8
より、V = (4/3) [ (1/32) sin4θ- (1/4)・(sin2θ) + (3/8)θ] = (4/3)・(3/8)・π = π/2 …(答)
500 名前:元塾講師:2006/03/07 11:56
全体の解説(解1~3を通して):
立体の求積において、いくつかの平面での切り方が考えられるが、今回に限っては
回転軸に垂直な平面y = kで切った切り口は表現が複雑になる。(場合分けが必要で、また円の
一部の面積表示が必要になるから、円弧の中心角の設定とその角θでの置換積分を考えることに
なるが、計算が非常に難しいようである。)



トリップパスについて

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