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懐かしの成城。

0 名前：Ｏ山Ｂ介：2006/10/31 14:48

俺の成城時代の話・・・

俺の母親は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
母親の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えない質素で見映えの悪い物ばかりだった。
友達に見られるのが恥ずかしくて、毎日地下の食堂へ行き、自分の弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝母親が嬉しそうに｢今日はＢ介の大好きな海老入れといたよ｣と俺に言ってきた。
俺は生返事でそのまま高校に来て、こっそり中身を確認した。
すると確に海老が入っていたが殻剥きもめちゃくちゃだし
彩りも悪いし、みっともないし、とても食べられなかった。
家に帰ると母親は俺に｢今日のお弁当美味しかった？｣としつこく尋ねてきた。
俺はその時イライラしていたし、いつもの母親の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
｢うるさいな！あんな汚い弁当捨てたよ！もう作らなくていいから｣とついきつく言ってしまった。
母親は悲しそうに｢気付かなくてごめんね…｣と言いそれから弁当を作らなくなった。
それから半年後、母親は死んだ。俺の知らない病気だった。母親の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると、弁当のことばかり書いていた。
｢手の震えが止まらず上手く卵が焼けない｣

日記はあの日で終わっていた。

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