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訳をお願いします(栄華物語)

0 名前:名無しさん:2008/05/25 05:13
寝殿の上とは、三の君(藤原為光の三女)をぞ聞こえける。
御かたちも心もやむごとなうおはすとて、父大臣いみじうかしづきたてまつりたまひき。
女子はかたちをこそといふことにてぞ、かしづききこえたまひける。
その寝殿の御方に、内大臣殿(藤原伊周)は通ひたまひけるになんありける。


かかるほどに、花山院(第六五代天皇。ここではすでに出家している) この四の君(藤原為光の四女)の御もとに御文など奉りたまひ、
気色だたせたまひけれど、けしからぬこととて聞き入れたまはざりければ、
たびたび御みづからおはしましつつ、今めかしうもてなさせたまひけることを、内大臣殿は、よも四の君にはあらじ、
この三の君のことならんと推しはかり思いて、わが御はらからの中納言(藤原隆家)に、
『このことこそ安からずおぼゆれ。いかがすべき』と聞こえたまへば、『いで、ただ己にあづけたまへれ。いとやすきこと』とて、
さるべき人ニ三人具したまひて、
この院の、鷹司殿(為光の娘たちが住んでいるところ)より月いと明るきに御馬にて帰らせたまひけるを、
威しきこえんと思し掟てけるものは、弓矢といふものしてとかくしたまひければ、御衣の袖より矢は通りにけり。
さこそいみじう雄々しうおはします院なれど、事かぎりおはしませば、いかでかは恐ろしと思さざらん、
いとわりなういみじと思しめして、院に帰らせたまひて、ものもおぼえさせたまはでぞおはしましける。

これを公にも(朝廷)、殿(藤原道長)にも、いとよう申させたまひつべけれど、
事ざまのもとよりよからぬ事の起こりなれば、恥づかしう思されて、この事散らさじ、後代の恥なりと忍ばせたまひけれど、
殿にも公にも聞こしめして、おほかたこのごろの人の口に入りたることはこれになんありける。
『太上天皇(上皇)は世にめでたきものにおはしませど、この院の御心掟の重りかならずおはしませばこそあれ。
さはありながら、いといとかたじけなく恐ろしきことなれば、この事かく音なくてはよもやまじ』と、世人い思ひたり。


栄花物語の一部なのですが、現代語訳が知りたいです。
お願いします。

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